ドイツ
2022年05月31日
私 福留修蔵は、再生可能エネルギーを普及させる会社を経営しております。
ドイツ政府は、この5月に2035年までにほぼ全ての電力を再生可能エネルギーで賄う方針を発表致しました。もともと2030年までに再生可能エネルギーの比率を80%まで高めることを連立政権として合意していましたが、2021年時点でその比率は41%に留まっていますので、残り10年ほどで2倍に拡大させる方針であり、さらにその5年後の2035年にはほぼ全てを再生可能エネルギーに転換することを打ち出した訳です。
これは、国際情勢に左右されにくい再生可能エネルギーの自給を通じ安全保障を着実に確立させようとの考えが脱炭素戦略をさらに前倒しさせたものです。
従来、ドイツは脱原発を進めていますので、正に再生可能エネルギーへの転換のみでこの野心的目標の達成を目指すことになります。当然ですが、それは簡単なことではありませんので、関連する法律の包括的改正、補助金制度の見直し、送電網の拡充、さらには水素技術の進化にも力を入れ、後押しをするようです。
化石エネルギーからの急激な転換は、ドイツ経済の深刻な景気後退を招きかねないとの意見もあり、決して簡単な目標ではないことは明確です。しかしながら、敢えて厳しい目標を掲げ、国を挙げてその達成に邁進しようとするドイツのお国柄に、潔さと逞しさを感じざるを得ません。
わが社も、ここ数年取り組んできました地熱発電所建設に向け、いよいよ本格的に工事に着手することになりました。一歩ずつ、ひとつずつですが、着実に日本のエネルギー政策に貢献すべく、前進し努力して参りたいと存じます。
以上